表に出ると家の前を派手な黒の
VOXYが塞いでいた。


「邪魔だな!!誰の車なんだよ。
人ん家の前に堂々と停めやがって!!」


「俺んだけど…。」


誠也がそう言いながら運転席に
乗り込む。


「はっ?…お前バイクで
来たんじゃねぇの!?」


「車だよ。早く乗れば。」


コイツいつの間に…。


俺は恐る恐る助手席に
座った。


「お前…無免じゃねぇよな?
ちゃんと免許持ってんだよな?」


「持ってるよ!!何ビビって
んだよ!!
俺.こう見えて安全運転だし。」


「この車.買ったのかよ?
えらく金.掛かってそうだけど…。」


「まぁな。(笑)一応俺も車屋だし
全部自分でやったんだ。」


誠也の車は外装はもちろん内装
まで改造されていて誠也の
こだわりを感じさせる車だった。


その派手な車の割には誠也は
言ってた通りの安全運転で…。


時速50km…。


「お前…原チャリじゃねぇん
だからさ…。
後ろ見てみろよ…渋滞して
んだけど…。」


「バカヤロ!!これ以上スピード
出したら危ねぇだろ!!
それに原チャリじゃねぇよ!!
ちゃんと屋根があんだろう!!」


「………。確かに。」


「分かればいいんだよ。」


「………。」