誠也は時間通りに迎えに
やって来た。


下に降りると誠也が婆ちゃんの
作ったドーナツを頬張っている。


「時間通りじゃん。(笑)」


「当たり前だろ!!社会人の
常識だし…時間守れねぇ奴に
ロクな奴は居ねぇからな。」


「遅刻ばっかしてたお前がそんな
事.言うなんて信じらんねぇ…。(笑)」


「だから!!社会人って言った
だろう。
あん時は俺は学生だったし。」


「どんな言い訳なんだよ。(笑)」


「俺も大人になったって事だよ!!
ねぇ♪婆ちゃん。」


「本当だね。誠也も大きくなって
婆ちゃんも歳を取るはずだよ。」


俺達は中学の時.毎年.夏になると
婆ちゃん家に泊まりに来ていた。


誠也.祐輔.俺の3人は
婆ちゃん家の近くにある海で
毎日のように泳いで一週間過ごす
それが俺達の毎年の恒例だ
ったんだ。


そのせいか…誠也も祐輔も
婆ちゃんの事を自分の婆ちゃんの
ように慕っていた。


「おい.いつまで食って
んだよ。行くぞ!!」


「おぉ。じゃあ.婆ちゃん
また来るね!!」


そう言いながら誠也は
両手にドーナツを持ち席を立つ。


「あぁ。またいつでもおいで!!」


俺達は婆ちゃんに見送られながら
外に出た。