親父とお袋が帰った後で二階に
上がると広い洋間の部屋が今日
から俺の部屋になっていてお袋が
準備してくれたんだろう…実家の
俺の部屋にあった全ての物が運び
込まれていた。


「婆ちゃん.あの部屋.俺が
一人で使っていいのかよ?」


「婆ちゃんは膝が悪くて
二階は使わないから狭いなら他の
部屋も好きな様に使うといいよ。」


二階には俺に与えられた
部屋以外に後.三部屋ある。


さすがに俺一人では使い切れない。


「陸…もうお前は岳とは一緒に
住めないんだろ?
だったら…ずっとここに
居ればいい。
お前がいずれ嫁さんをもらった時
もリフォームでも何でもして住め
ばいいから…。
ずっとここに居ればいいんだよ。」


「婆ちゃん…ありがとう。」



次の日.早速.誠也から電話が
あって夜に顔合わも兼ねて誠也
の叔父さんに会う事になった。


「今日.社長が仕事早く切り上げる
って言うから7時位にはそっちに
迎えに行くから待っててくれよ。」


「わかった。…じゃあ後でな。」


電話を切ると俺は今までに
無い緊張を感じた。



俺の新たなる人生の始まり。


俺は今日.第一歩を踏み出す。