男が俺に向かって怒鳴っている。


「お前に頼んできた男とコイツは
別人なんだよ!!その男とよく間違
われてコイツは迷惑してんだ!!」


誠也の話しに奴は青ざめていた。


「マジかよ…。そっくりなのに…。
頼む!!俺が話した事は聞かなかっ
た事にしてくれよ!!頼む!!」


「そうはいかねぇんだよ!!
お前に頼んで来た男の名前は?」


「知らねぇよ!!お互い名前は言わ
ない約束なんだよ!!」


「じゃあ…どうして知り合った?」


「ネットだよ…。俺…闇サイトで
仕事引き受けてんだ…それで…
いつもあのコンビニの前で仕事
待ちしてて…。頼むよ!!もう辞め
るから誰にも言わないでくれ!!」


-ゴン-


「ウゥ…ッ…。」


誠也の頭突きが男の顔面に命中した。


「テメェ!!うるせぇんだよ!!
テメェは聞かれた事にちゃんと
答えてればいいんだよ!!」


「それでどうした?今さら隠して
も無駄なんだから全て話せ!!」


「そ.そいつが憎い女が居るから
その女とその女の男の人生を
無茶苦茶にしてやりたいんだって
言って…俺は3万で運転手を引き
受けただけだよ!!女にも手は出し
てねぇ!!その後はすぐに男とは別
れて一度も会ってねぇよ!!」