それにしても入った時からずっと
ガラス越しに奴の視線を感じてい
る。


明らかに挑発的な態度だ。


テメェ…ふざけてんじゃねぇぞ。


俺は我慢していた怒りを押さえる
事に限界が来ていた。


「おい誠也…俺.我慢出来ねぇ…。
どっちにしろ外に出て話し付けて
来るわ…。」


そう言って雑誌から目を離し顔を
上げて奴を見る。


やっぱり奴は完全に身体を俺達に
向けながらこっちを見ている。


奴に睨みを効かすと俺に笑い
ながら手を振って来た。


「陸.俺ら完全にナメられてる
みたいだな。それとも…ただの馬鹿なのか…?」


「クソッ…ふざけやがって!!」


俺と誠也は表に出て奴の前に立つ。


「テメェ…何なんだよ。
ふざけてんじゃねぇぞ!!」


俺の言葉に奴は面を食らった様な
顔を見せた。


「何.言ってんだよ。
俺の事忘れたの!!何か前と感じが
変わったな?髪も染めてその方が
似合ってるよ!!」


コイツ…何言ってんだ?


「あの後.女どうなった?
またヤルなら電話くれよ。
俺もそろそろ金が無くなってきた
から協力するぜ!!」


「陸…コイツがお前と誰を間違え
てるかわかるよな…。」


「……嘘だろ…。」