次々とクラスの奴らが登校
して来た。


「陸…どうしたんだ.その顔!?」


みんなが俺に聞いて来る。


いちいち説明するのが面倒臭い。


「うるせぇ!!寝過ぎたんだよ!!」


まだそんなに酷い顔なのか?


「うぃっす…。」


誠也だ…。


俺は声のした方を見る。


「えっ…お前どうしたの?その顔。」


誠也の目も俺に負けず劣らず
腫れ上がっていた。


周りに居た連中は俺達の顔を
見て涙を流しながら笑っていた。


「陸…お前も見たのか?
俺…涙が止まらなくてさ…。」


誠也の表情が沈んでいる。


「はぁ?…」


「子犬物語…テレビでやってた
だろ…。」


「見てねぇけど…。」


「はぁ!?お前見てねえって…!!
あの感動の物語を見てねぇのに
何でそんだけブサイクな顔になれ
んだよ!!信じらんねぇ…。」


「お前に言われたくねぇよ…。」


俺達は重い瞼を何とか開けて
授業を受ける。


帰る頃には俺も誠也ももとの
顔に戻っていた。


「あぁ…やっと軽くなった…。」


誠也が呟く。


「だな…。」


「じゃあ.今日も捜しに
行きますか!!」


「あぁ。」


俺達は今日も駅に向かった。