「俺…ずっとお前の事待ってる
から…時間が掛かってもいい…。
ずっと待ってるから…。」


「ッッ………陸君…私…私…汚れちやったんだよ…。」


「…果懍…何.言ってんだよ…!!
お前は…何も悪くない…汚れ
てなんてない…。」


「………。」


「果懍…?」


「……陸君…今は…今はまだ会う勇気が無いけど…今度.会った時に…。」


「今度.会った時.何?」


「……ギュッって…してね…。」


「うん…うん…。」


俺は何度も何度も頷いたんだ。


久しぶりに聞いた果懍の口癖。


今すぐにでも抱きしめてやりたかった。


「果懍…俺は絶対にお前の事は
諦めねぇから…。ずっとお前の事
待ってるからな…。」


「……陸君…ありがとう。」


果懍の言葉を最後に電話が切れた。


果懍の声が聞けた…。


ずっと聞きたかった果懍の声…。


俺はその夜…ずっと涙が止まら
なかった。


いつまでも待とう…。


果懍の心の傷が癒えるまで…。


何ヶ月…いや…何年掛かっても
構わない…。


もう一度果懍の笑った顔が見れる
なら…。


俺はいつまでも待てる。


だって…俺は果懍以外の女は
愛せないから…。