「じゃあ…何で白いワゴンばっか
に声掛けてんだよ…。」


「………。」


誠也の鋭い勘に言葉を失って
しまった。


「話したくなかったら無理には
聞かねぇけど…。」


「誠也…悪い…。理由は言えねぇ。」


果懍に起こった事は例え誠也でも
言えない。


「わかった。でも白いワゴンの何か
をお前は捜してんだろ?他に手掛かりは?」


「えっ?」


「……いや…俺.暇だしさ一緒に
捜してやろうかなと思ってさ。」


コイツは俺がいつもと違う事を
気付いているんだと思う。


理由はもちろんわからないだろう
けど…誠也は初めからわかって付いて来たんだ。


「他に何かあるからわざわざ
声掛けてんだろ?」


「…十字架の指輪。」


「わかった。」


誠也はそう言うとそれ以上の事を
聞いてくる事はなかった。


2人で手分けして捜す。


そう簡単に見つかるとは思って
いない…。


それでも俺は諦める訳にはいか
ないんだ…。


夜遅くまで張っていたが白の
ワゴンが停まる事さえなくなっていた。


「誠也…今日はもういいよ。
帰ろうぜ。」


俺の声に誠也は悔しそうな表情を見せた。