｢俺は…俺は果懍との約束を
守る事が…出来なかった｡
どんな事からも…俺が守って
やるって言ったのに…守って
やれなかった｡
果懍…ごめん…ｯｯ…｡｣


３日前の塾の帰り…果懍は途中
から車で付けて来た男に後部
座席に連れ込まれてしまう…｡


男は２人…なぜか運転していた
男は果懍に手を出さなかった｡


恐怖と屈辱に耐え…その場に
置き去りにされた果懍はすぐに
拓海君に電話で助けを求めた｡


｢俺は泣きじゃくる果懍と電話を
繋げたままその場所に向かった｡
着くと果懍は細い路地裏で身体を
ガタガタと震わせながら疼くまっ
てたんだ…｡｣


話し終えた拓海君の顔が一層
険しくなり大きく息を吐いた｡


｢許さねぇ…絶対に許さねぇ｡｣


怒りで全身が震え出す｡


必ず…そいつらを見つけ出してぶっ殺してやる｡


｢陸…お前は今.何を考えてる?｣


｢…俺は絶対に別れない…｡
果懍が今.俺と会いたくないと
思ってるなら果懍の傷が癒える
までどんなに時間が掛かっても
待ちます｡必ず果懍にそう伝
えて下さい｡｣


｢陸…｡｣


｢俺は果懍じゃないとダメなんです｡｣


本当の気持ちだった｡


俺は果懍しか愛せない｡