「今から話す事は…。俺とうちの両親…それとさっき居た婦長…その4人しか知らない事だ…。」


拓海君の顔はより一層険しさを増して行く…。


「フゥ…。」


拓海君は小さく息を吐くと今日
初めて俺の顔を見る。


拓海君は俺を見据えたまま
言ったんだ…。


「陸…落ち着いて聞いてくれ…。
果懍が……果懍がレイプされた。」


「えっ…。」


拓海君の口から出た言葉に俺は
すぐに反応出来ないで居た。


レイプ…。


頭の中でその言葉が渦巻く。


「嘘だろ…。」


「果懍がお前に会いたくないって
言う意味がわかっただろ…。
もうお前には会えないって…
この事も本当はお前に言わないで
くれって…頼まれてたんだ。
果懍はこのままお前と別れるつも
りなんだよ。」


「何で…何でなんだよ。
果懍は何も悪くないのに…
なんで自分を責めるんだよ…。」


俺の目から涙が溢れた。


怖かっただろうに…。


果懍の気持ちを考えると涙が
止まらなかった。


「陸…今.果懍は情緒不安定に
なっている。
夜になるとお前の名前を呼び
ながらずっと泣いていて…。
でも…お前には会いたくないって
嫌われるのが怖いって…。」