「星野総合病院まで!!急いで下さい!!」


果懍…大丈夫なのかよ…。


なんで…なんで言ってくれなか
ったんだよ…。


10分程で病院に着いた…。


目の前にそびえ立つ.この建物の
中に果懍が居る…。


受け付けで果懍の名前を言うと
係の人が誰かと連絡を取り出す。


「あちらにお掛けになって少々
お待ち下さいませ。」


待っている間.俺の胸のドキドキ
が止まらない…。


果懍がもし命に関わるような
病気だったら…。


「……陸。」


俯いていた俺に大きな影が
覆いかぶさる。


顔を上げると拓海君が白衣を
身に纏い立っていた。


ネームプレートを見ると
「研修医 星野 拓海」
と書いてあった。


この人…本当に医者の卵なんだ。


「陸…どうして来たんだ?
果懍はお前に会いたくないって
言ってるんだよ。帰ってくれ…。」


拓海君が俺の目を見ない。


「果懍の口から聞くまでは俺…
信じられません!!」


「頼む…帰ってくれ。
果懍が望んでる事なんだ。」


「何度.言われても会わせてもらう
までは帰りません!!
それに果懍は大丈夫なんですか!?
果懍が病気だって事どうして教え
てくれなかったんですか!?」