俺達は電話だけは毎日欠かさないでいた。


その日のお互いの出来事を話し
たり…声を聞く事が俺達の一日の
日課になっている。


それなのに…昨日から果懍と
連絡が取れなくなっていた。


夜遅くまで連絡を待っていた俺は
眠れずに朝を迎える。


朝早くにもう一度電話を掛けても
果懍が出る事は無かった。


プロポーズしたあの日からやっと
一週間が経ち今日やっと会える日なのに…。


昨日から送り続けているメールの
返事も無い…。


果懍に何か遭ったのか…?


連絡が取れない事で俺の中で
不安が一気に押し寄せる。


果懍…どうして連絡して来ねぇんだよ…。


今日の俺は果懍の事で頭が一杯で
授業も真面目に受ける気にならず
ひたすら果懍の携帯に連絡を取っていた。


俺は授業が終わり急いでいつもの
待ち合わせの駅に向かう。


連絡が取れなくても此処に来ると
なぜか改札口から急いで果懍が
出て来る様な気がして俺はじっと
改札を見つめる。


でも…俺の前に果懍が現れる事は無かった。


この時にはまだ果懍との別れが
近付いているとは思ってもいなかったんだ…。