「隠し事されるのはヤダ…。」


「隠すつもりじゃねぇんだけど…。今.言うのはちょっと…。」


「もういい!!陸君なんて大嫌い!!」


果懍が俺の腕から離れて行く。


なんでそうなんだよ…。


家の中に入ろうとする果懍の背中
に俺は叫んだ。


「俺.お前に相応しい男になる様に
頑張るから!!頑張るから…その日
が来たら俺と結婚してくれないか!?」


果懍が俺に背中を向けたまま
立ち止まった。


まだガキの俺の言う事なんて
信じてもらえないか…。


「頑張らなくていい…。
今の陸君のままでいい…。」


「えっ…?」


果懍が俺の胸に飛び込んできた。


「果懍…?」


「頑張らなくていい…。
今のままの陸君がいい…。
もう今.以上に好きになれ
ないもん…。
今でも気持ちが溢れそうなのに…
これ以上好きになれないよ。」


「………。」


「私…陸君のお嫁さんになりたい…。」


「果懍…もう少し俺が大人になったら結婚しよう…。」


「うん。…陸君…大好きだよ。」


「さっき大嫌いって言ってなかったっけ?」


果懍が照れ臭そうに言った。


「宇宙で一番大好き…。」

俺はこの言葉を一生忘れない。