俺はババァが洗濯物を取り込んで
静かになると勉強に集中する。


こんなに真剣に勉強したのは初めてかもしれない。


どうしても解らない所があると
俺は次の日学校に行って担任の
吉岡に聞くようになった。


そんな俺の額に誠也はいつも手を当てる。


「陸.大丈夫か?熱でもあんじゃねぇの?」


「ねぇよ!!テメェも人の心配する
前に自分の将来.真剣に考えろ!!」


「陸ちゃんからそんな言葉聞くなんて…。やっぱり陸ちゃん熱があるって!!保健室行く?付いて行ってやるから。」


「……。もう黙ってろ。」

誠也は未だに進学か就職で悩んでいる。


もし…俺も果懍と出会ってなか
ったら誠也と同じ様に悩んでいた
かもしれない。


-ザーッ-


雨だ…。今まで眩しい位に陽が
射していた俺の部屋が一気に暗くなる。


-ピカッ- -ゴロゴロ-


カミナリまで鳴り出してる。


「あんなに晴れてたのに…。」


-ガチャ-


ババァが扉から顔半分だけ覗かせて笑ってる。


「な.なんだよ…。」


-ピカッ-ゴロゴロ-


「ねっ…降ったでしょ…。」


「……あ.あぁ。」


「わかればいいのよ…。じゃあね。」


-バタン-


「………。」