「果懍…離れたくねぇよ。
ずっと一緒に居てぇ…。」


「私も…陸君とずっと一緒に居たい。」


そんな事出来るはずなんて無いのに…。


想いは募るばかりで果懍をより
一層強く抱きしめた。


-ブオーン-


静けさの中で不釣り合いな
エンジンの音。


この音は…もしかして…。


拓海君…。


「あっ。お兄ちゃんが帰って来たみたい。」


やっぱり…。


「帰らないとな…。」


「うん…。」


路地から出る前に俺はもう一度
果懍にキスをした。


2人で路地から出ると家の前に
拓海君が立っていた。


「こんばんわ…。遅くなってすみません。」


「よぉ.陸!!久しぶりじゃん!!
で?もうラブシーンは終わったのか?(笑)」


「お兄ちゃん!!見たの!?」


「別に見るつもりは無かったけど
車の中からたまたま見えた。(笑)」


拓海君が俺を見てニヤケてる…。


今度から会う度に冷やかされるんだろうな…。


「たまたまって…それにどうして
お兄ちゃんが陸君の事知ってるのよ!?」


「ん?前にここで会ったから…俺達
ツレだもん。…なっ.陸!?」


ツレって…。


会ったのって今日で2回目じゃん…。