「健から?」
「…うんっ…」
「行きなよ。」
「でもっ…」
「好きなんだろ?健のこと。
ちゃんと行って、捕まえなきゃ。」
私は不安になり前田くんを見た。
「大丈夫だよ。」
前田くんは、私の心を見透かしたように答えてくれる。
「そうだよ、めぐ!早く行きな。」
美香も隣でうんうんと頷き、私の手を握った。
「そうだよ、めぐちゃん。
健のところに行ってやんな。」
「高橋くん…っ」
私は目を瞑り、三橋くんの笑った顔を想像した。
―好き。
やっぱり好き。
「ありがとう…っ!」
私は会いたい一心で携帯に耳をつけた。