久しぶりに浴衣を着たのもあって、なんだか少し恥ずかしい。
「めぐちゃん、浴衣似合ってんね。」
「えっ、あっありがとう…。」
前田くんが私の浴衣姿を一望するから、思わず俯いた。
「あ、もしかして恥ずかしいの?」
うっ…図星です。
私は黙ってこくりと頷いた。
だって、似合ってるなんて言われたら、いくらお世辞でも舞い上がっちゃうよ。
「…可愛い。」
前田くんは目を細めて笑ったあと、私の髪を撫でた。
や、やばい。
不覚にもドキドキする。
「前田ー!めぐちゃんに手を出すな〜!」
「いてててて!やめろって!」
高橋くんが前田くんを後ろからふざけて羽交い締めにする。
まるで小学生みたいなその姿に、美香と私は目を合わせて笑った。