「私の、こと?」


「うん。健はね、昔っから愛嬌良くて…そうね、世にいう愛されキャラってやつ?」


由美さんはそういって皮肉そうに笑った。


つられて私も笑ってしまう。


「それにあの容姿だし、やっぱり悔しいけどモテてさ?
だからー…嫌な話、遊びたい放題の高校時代を過ごしてたのよ。」

「そうなんですか…。」


やっぱり、そうなのか。
三橋くん軽いんだ…


私の知らない過去が次々と話され、もっと知りたいと思う反面、私の知ってる範囲でいたいと嘆く自分もいる。




「だけど、留学してて久々に会ったアイツの顔、全然変わったのよ?
ほんと見違えるくらい。」


「…えっ?」


「めぐみちゃん、あなたに出会ったからじゃないかな?」


由美さんは肘をテーブルにつけて指をくんだ上に顔を乗せ、


優しげに微笑んだ。