「まだ見つからないの〜?」


「うんっ。私どこに忘れたんだろう…」


クーラーが切れかけた講義室。
私はあるものを探していた。


「そんなに大事なものなの?」


「…うん。」


美香は「見たところないよ〜」と少し呆れ気味に言う。


「やっぱり食堂かな?私見に行ってくるから、美香先に帰ってていいからね。」


「ちょっ…めぐ〜?!
もう暗いから危ないって…!」



美香の声を無視して、食堂へと掛け降りた。



私が落としてしまったもの。


それは、三橋くんがくれたキーホルダー。


出会って何回目かの日。
食堂でばったり会って、初めて2人きりで話したんだ。