「あれ以来、健のこと意識してんでしょ?」 「意識…?」 「うん。健のこと、ちゃんと男としてさ。」 男って…最初から思ってたけどな。 「あの日、健の素顔を見た気がしたんじゃない?」 「素…顔?」 言われてみれば、 あんなに焦った顔も、 離された体も、 全てが初めてだった。 でもあれが三橋くんのほんとの姿なのかな? なんだか少し悲しくなって俯いた。 私、三橋くんのこと、結局は何もしらない。