すると高橋くんはニヤリと笑った。


「なんだよ、その顔は。」


「実はさ、親父の知り合いの人が今回の花火大会の主催者らしくてね?
取ってくれたんだよ、5人分のチケットを!」


「まじ!?やるじゃん高橋くんっ!」


「でしょー♪やるときゃやりますよ、俺も!」


誇らしげに笑う高橋くんをよそに、私もパンフレットに目を落とした。


三橋くんも…来るんだよね。


なんかちょっと気まずいかも…


そう思っていた矢先、


「健〜っ!やっと来たか。」


高橋くんの声にビクリと反応した。


「ん、何見てんの?」


ふと甘い香がしたかと思うと、
私の手元にあったパンフレットが消える。


顔を上げると…

「めぐ、久しぶり。」


優しく三橋くんが微笑んだ。