「だから、あんまり心配しなくていい。
健さ、めぐちゃんに会ってから変わったし。」
「…どういうこと？」
「んー、三橋 健は…決心したんだよ。」
「なにを！？」
「まぁアイツのこと、嫌いにならないであげてね。」
私が言葉を発しようとした時、
「前田〜。早く〜」
と、高橋くんの呼ぶ声がした。
前田くんは
「あー、わかった。じゃあ突然ごめんね。また明日。」
と一方的に告げる。
「えっ、あっ、うん。おやすみなさい。」
「ん、おやすみ。」
前田くんの柔らかなハスキーボイスで、電話は終了。
―健さ、めぐちゃんに会って変わったし。
いったいどういうことだろう…？
私は携帯電話を握りしめ、
三橋くんを思い出して目を閉じた。
