―5月―

   
   部活がはじまろうとしている。はじまる生え、仮入部期間が設けられたが、  
  そのときは陸上部に行っていた。ユリアに誘われたからだ。陸上部は結構楽しかった。
  先輩が優しいし、おもしろいし・・・。この部に決めようとしていたが、
   「ねー、一回だけ吹奏楽部行ってみない?ほら、ウチら小学校のとき
    やってたじゃん!!」
  と、モエに言われ、吹奏楽部に行ってみることにした。
    
   「じゃあ、吹いてみて。」
  先輩に言われ、息を入れる―
 
    ♪~

  結構吹けた。小学校のときやった曲の一部を吹くとなんだかなつかしくなった。
   そして・・・
   「うまい!すごいよ、横井さん・・・やったよね?うん、吹奏楽に入ったら
    もっとうまくなると思うよ。いや、ぜひ入ってほしい。いやいや入ってください!」
  先輩にベタ褒めされたのだ。ここまで言われてしまうと・・・私の心は
  傾いてしまう・・・!
   でも素直にうれしかった。自分の実力が認められたみたいで・・・。
  この部活ならがんばれるかな・・・。まあ特技とかあった方がいいとは思うけど。
   ・・・よし。決めた。
   
      吹奏楽部に入る!
  
   ・・・というわけど私は吹奏楽部へ入部した。ちなみにモエは悩んだ末バレー部。
   ここまではまだ大きな事件もなく、平凡な日々が続いていた。

  
  
    ―しかし、運命の歯車はゆっくりと回りだしていたのだ―