「いやいや、お前ら早く部活しよう・・・」
   「ちょっと黙れやケンダア!!!!」 
   「・・・ハイ。」
  ケンダの一言に少し身を救われたような気がしたが、コノミちゃんの一言で
  黙ってしまう。ケンダ・・・頼りにならない・・・
  あんなつらい過去、話したくない・・・皆にここまで押されると・・・
    
   私は折れた。
   
   「・・・わかった。私の過去、聞かせてあげる。・・・言っとくけど、この話を
    他の人に話すのは初めてだから。誰にも言わないでね。」
   『ハイ!!』
  弱いな~私は。やっぱりあの時の傷は深いのだ。人に嫌われるのがコワイ・・・。
  みんなに嫌われるのがイヤだから、こうやって話そうとしているのかもしれない。
   本当はイヤだと思ってもいつも自分の感情を押し殺して、ガマンして・・・

  つらい。つらい、つらいよ。だからみんなにもこのつらさ、分かってほしい。
  もう自分でつめこむのはイヤだよ。荷物が重すぎるよ。感情があふれだしてくる。
  少しだけ・・・少しだけでいいから・・・


   「今から二年前の話なんだけど―」


     私の荷物を・・・おろしてほしい。