「え、今オレの手触ったの誰?」
  あ、リョウの手だったのか。ちょっとドキッとする。
  「私だと思う。ゴメン」   
  「別にいーし。てかちょっと寒くね?」
  確かにちょっと寒い。外は雨がふってるし、電気も消えてしまったからだろう。
  
   「こーすれば寒くないだろ?」
  ・・・ええーっ!な、なんとリョウが私の手をにぎってきたのだ。
  手からリョウの体温が伝わってくる。あったかい・・・。
   私の心臓はドキドキしているけど不思議と落ち着いていた。
  周りの騒がしい音なんか聞こえてこなかった。雷の音も、雨の音も耳に入ってこない。
  
   パッ
   
  「ひっ!!」
  
  び・・・びっくりしたあー・・・。電気がついた。・・・あ・・・手を・・・。
  
  「あ、ゴメン横井!オレ馬鹿なコトを・・・。」

  リョウは手を放した。