「ちょ、明かり!!明かりは?!」

  私は暗闇が大嫌いだ。何も見えなくなって・・・自分だけが闇の中に
  取り残されたカンジで――・・・

  ――コワイ・・・

  ――助けて・・・

  あー気持ち悪くなってきた。床にうずくまる。窓の外では木が揺れ、
  横なぐりの雨がふり、ピカッと一瞬明るくなって雷が落ちる。
   そのたびに悲鳴があがる。
     緊急事態だ。

  先生は
   「落ち着いて!みなさん、落ち着いてください!その場を動かないで!」
   と自分が一番落ち着いてないカンジで大声をあげていた。
   バカな男子どもは
   「イエーイ!オイお前何処さわってんだよ!変態やろ!」
   「痛ーっ・・・!てめぇ頭叩くなよ!」
   ・・・この状況を楽しんでいる様子。ホントバカだ。
   
   「横井?何処に居る?」
   ん・・・?この声はリョウ?
   「ユカリー?大丈夫?返事して?」
   あ、この声はミキだ。結構近いところから聞こえてくる。
   「リョウ、ミキ私はココにいるよ」
   「お、結構近くにいるやん」
   「ユカリー!木の方から聞こえたんだけど座ってる?」
  2人とも私の心配をしてくれた・・・なんかすごいうれしい。
   そのときまた雷がなった。その瞬間少しだけ人の顔が見えた。

  ・・・あれ?今目の前にリョウが見えたような・・・。
   「もしかして、リョウ今私の目の前にいる?」
   私は聞いてみる、すると
   「お、そうかも。オレ今しゃがんでるし。」
   と目の前から答えが帰ってきた。やっぱり、え?でも何でしゃがむ・・・?
  私は手をのばしてみた。あたりをさぐってみる。あ、今何かふれた。
    これは・・・手?