「…なんで?」

先輩は眉間に皺を寄せながら愛に問い掛けた。

「えっと…」

愛は返答に困っている。
何故だ?

「そこの男子が目当てなんじゃないの?」

先輩は少しキツイ口調で愛の返答を待たずに続ける

つか…なんで俺?

「あんた、陸上部希望なんでしょ?」

先輩は俺に冷淡な態度を向けながら問い掛けて来た。

「はい、まぁ…」

俺は何が何か分からずに曖昧に答えた。
すると先輩は小首を傾げて納得いかない様子で愛に視線を移した。

「あんたを陸上部のマネジには出来ないから。」

先輩は冷たい口調と鋭い目付きを愛に向けた。

「なんでですか!?てか、先輩に決める権力あるんですか?こうゆうのは普通…部長が決めるんじゃないんですか?」

愛は興奮している様子で先輩に反発している
冷静な先輩とは大違いだ。

「あたしが部長だけど?」

先輩は愛の事を完璧に嫌ってしまったらしく、胸の前で腕を組みながらそう呟いた。

あーあ…愛、墓穴だな。