家に帰って、教材やプリント類を整理した。
あぁどうか中学校で、変な事をやらかしませんように!
そうそう、今日はお父さんもいないことだし、録画しておいたアレを見るか!
アレとは「め〇〇イケ」の事。初めて知ったのは、五年生の秋。それまで、バラエティー番組なんてなかなか見せてもらえなかった。
五年生の時は土曜日、塾に行ってて、終わるのがいつも7時20分くらいだったからなんとなく夜ご飯の時にテレビをつけたら面白い、今まで見たことのない人ばかりでていて、最高に感動した。
それからどんどん「め〇〇イケ」が好きになって、とうとうあの人達を生で見てみたい、一緒に話したい!って思うようになった。
私は芸能人になりたい。
もし夢が叶うのなら。
綺麗になって、いつかあの人達と一分でもいいからしゃべることができたらと何度も思った。
自分を鏡で見てみて。
ニキビがたくさんある顔
ポッコリしたお腹
太い脚。。。
やっぱり無理なんだ。
私なんて一生芸能人にはなれないんだ。
でも。。。
たとえ無理でもいい。みんなの笑い者にされても。
バカでも。
なんでそんなに頑張るのかって?
め〇〇イケが大好きで大好きでたまらないんだよ。
ジャニーズが好きなコがコンサートへ行って、顔写真のついたうちわ持ってキャーキャーはしゃいでるのとほぼ同じなんじゃないかな。
そのめ〇〇イケの中でも、私はナイナイが好き。 まぁ本当はやべっちの事が好きなんだけど。
女子メンバーだったら雛形あきこと鈴木紗理奈が大好き。
で、そのために芸能人になってドラマにたくさんでて有名な女優にならなくても、テレビ局のロビーや、廊下ですれ違う日が来るのではという話。
よし、来年の冬にタレントオーディションを受けさせてもらおう。
そのためにはお父さんに許可をとらなければ。
勇気を振りしぼって言ってみた。
「私さぁ、来年の冬にタレントオーディション受けたいんだけど。。。」
お父さんは笑った。
きっと私なんて受からないと思ったのだろう。
「いいけど学校に許可とらないといけないから校長に言わないといけないと思うよ。」
そうだった。
きっと先生中に広まって笑い者にされるだろうな。
べつにいいし。笑えなくなるような綺麗な女になってやるから!!
そうと決まれば痩せなきゃ。