帰り道に、偶然夏木と会ったことは、アイコにも誰にも言ってなかったから、なんとなく後ろめたい気持ちになる。

するとアイコは、ニコニコ笑いながら言った。

「あの二人もクラス一緒だったんだよ!すごくない!?」
「えっ…同じクラス?二人とも!?」
「うん!やっぱりうちの学校だったんだねー」
「う、うん、それはすごいね…」

目の前がパーッと明るくなった気がした。

夏木と同じクラスだって!

春期講習が終わってしまうと、正直、もう会うこともないかもしれないと思っていた。

だって夏木がうちの学校に来るって言うのは、ウワサでしかなかったし。

だけど、同じクラスなんて嬉しすぎる!

自分でもどうしてこんなにテンションが上がるのかが分からなかったけれど、一気に軽くなった足取りで、あたしとアイコは教室に向かった。



*****



「あ、あたしの席、アイコの後ろだ!」
「ええ!?超うれしい!うちら運命だねー」
「あははっ、超運命!」

教室に行くと、上級生の人に名前を聞かれ、席まで案内された。

その席がなんと!

あたしとアイコは前後だったのだ。

真ん中の列の後ろって、けっこういい席じゃない?

お互いに顔を見合わせて、声を押さえてはしゃいだ。