先生は照れくさそうに自分の手を見て
「どうだろうなぁ。こんなに朝から手握られたからな。今日の分はおしまいかもなっ。」


「先生…椎名先生?」

明るい言葉とは裏腹に先生は俯いている。

のぞき込むと、赤い顔をしている。


「見ただろう?」
意地悪そうなに先生が言う。


「みっ…見てないです!」
私たちは桜並木を走り出す。