小さい頃住んでいた
二つ年上のお兄ちゃんに 放課後久しぶりにばったり会った
10年ぶりくらいで 懐かしくて② ずっとしゃべってたんだ
近くの公園でね
視線は 後から思い起こせば感じてたと思う
でも桜也とは思わなかった
「誰だよコイツ」
低い声で桜也はそう言った
見たことない 怖い顔で…
「えっ 桜也!! 何で??!」
「たまたま通りかかったんだよ、この男誰?」
「いや、僕はただの…」
あわわわ…ヤバい…この展開
桜也は体をクルっと半回転させ私達とは反対方向へ走り出した
「ごめん!! また今度ね!!」
「お! おいちょっ…!未歩!!」
すぐ追いついて理由を話そうと思ってたけど 桜也は早くて
私が曲がり角を曲がったら もうそこにはいなかった
あの桜のほのかな香りを残して…
翌日――。
「……」「……」
朝 目は合ったけどお互い声はかけなかった
クラスのみんなは、そんな私達を見るのは初めてで、驚いてた
でもケンカなんてつまんない
それもあんな些細なことで…
悪いのは私
桜也と話せないことがすごく辛くて
仲直りしよう
そう決めて屋上へ行った