「んー 遅いなぁ ここでよかったんだよなぁー」


街中でざわつく中少し不安になってきた。


まさに春の今日この頃

ポカポカ陽気



好きな人を待っている時って 時間が長い気がする



1分 1秒でも長く感じる


「好きな人を待っている間は楽しい」

とか「いくらでも待っていられる」とか言う人もいる


でも私は違う


だって 早く会いたいから



1分 1秒でも早く会いたいじゃん


桜也の顔見たいじゃん…


私いつの間にこんなに桜也のこと...??



「ごめん! 未歩!」


「わっ びっくりしたぁ!!」


会えた


ブワァー...

「うわぁ キレー… すごい花びらだね」

「本当だなぁ」


桜也は隣にいるはずなのに 顔が見えなくて不安がわき起こる


「さく…」



私の体が桜也の腕に桜也の香りに包み込まれた


ゆっくり 「大丈夫だよ」って

そう言ってくれてるみたいだった



「ここにいるよ」



優しく、桜也は語りかけるように

そう言ってくれた


私はその時 こんなに幸せでバチが当たるんじゃないかと思うくらいだった


桜也も私が見えなくて不安だったの…??

私の顔や姿が見えなくて不安だった…??

だからそんなに優しく抱きしめてくれたの…??


私はそっと抱きしめ返した。


人の温もりって…あったかい

「桜也…」
「ん…??」

「好き」
「うん。俺も好き」

好きって言ったらもっと好きになっちゃった


出逢ってまだ3日だけど、この気持ちは私の中にちゃんとあるよ…