相変わらず、生きてるのか死んでるかわからないまま、綺麗に咲く花たちに触れていた。
花と自分は似ている。
大事な根を切り落とされながら、それでも咲き続ける姿。
生きてるのか死んでるのかわからない姿に、いつも自分を重ねていた。
大切な名前を呼んでくれる人なんて居ない。
ただ散り行き、枯れ果てるまでそこに在るだけ……。
そんな俺と花たちの前に、彼女は現れた。
「名前教えてくださいっ」
少し幼い顔を真っ赤にした彼女は、ただ真っ直ぐな瞳で俺を見つめていた。
相葉 夢梨。
彼女が俺に告げた名前に、心臓がふわふわと温かくなる。
あっ、生きてるんだ……俺。
久しぶりの感覚に、顔からもずっと忘れていた自然な笑顔が蘇った。
その頃からだろうか。
あの夢を見なくなったのは……。