『苦しいんですか?あっあの、救急車…呼びましょうか?』


女の子は、慌てて携帯を鞄から取り出そうとした。



だめ。だめ、だめっ。 
そんなことしたら、私殺した子を隠してないから、見つけられちゃうよ。

早く、早く家に帰らなきゃ。


私は言葉が出てこないので、救急車を呼ばないでと、激しく首を横にふる。



『でっでも…すごく具合悪そう。あ、そこに椅子があるから、そこまで連れていってあげる』


女の子はそう言うと、肩に私の汚れた腕をのせて、歩かせてくれた。