「おっヒノケン!遅いぞ」

体育館にきたヒノケンに、西田はボールを投げつけてきた。

「掃除だよ。てかさ、今日ちぃ来なかった?」

ヒノケンはボールを西田に投げ返した。

「あー部室にいたけど…途中で帰ったな」

「ふーん…」

何で部室に来て途中で帰ったのかよくわからなかったが、あんまり聞くと西田は、"好きなのかよ~?"とか言ってくるし…面倒なのでそのまま流した。

「早く着替えろよ。ゲームしようぜ!池田と林いるし」

池田と林とは先ほど部室でちぃが遭遇した1年2人組だ。

「おぅ!待ってろ」

ヒノケンは急いで部室に駆け込み、着替え始めた。



次の日の朝。

直人のクラスと、ちぃのクラスの黒板にイタズラ書きがされていた。


"鳴海千紗は水澤直人と自分の妄想恋愛漫画を書いている"


「なにこれ…?」

驚いたのは他のクラスメートたちだ。

「どーゆーこと?」

「こーゆーことだよ」

落書き犯人の西田は、昨日拾ったちぃのノートをクラスメートたちに見せた。