バレー部で、自分に普通に話しかけてくれるのは…たまにしか来ない顧問とヒノケンくらいだ。

1年の頃はそうでもなかった。

しかし…元々要領のよくないちぃは、部員の名簿をなくしたり、記録をはかれていなかったりとミスを繰り返すうちに、部員たちはちぃを敬遠するようになってしまった。

そのたび、ヒノケンは笑って許してくれた。

別にヒノケンに恋愛感情があるわけじゃないし、ヒノケンが自分のことを好きだなんて思っていない。

けれど…

(優しくしてくれて…嬉しかったのに)

なんだか裏切られた気分だった。


ヒノケンの事もあるけど…
"目つぶってヤッたらアニメキャラとヤッてる気分になれそうすね"

ああ言われるのも、女として屈辱だった。


…もう、部活に行きたくない…


「オイラが辞めても…誰も困らないんだろうな」

むしろ、西田あたりなんか諸手を上げて喜びそうだ。


「私には…時間がないのに…」