「えっと…鳴海さんでしたっけ?」

「あーそんな名前の」

絶対知っているくせに、西田はわざと覚えてないような口振りだった。

「んー…挨拶程度にしか、話したことないし」

「それでもいいから、どう思う…?」

妙に急かして聞く西田に、後輩は口を開いた。

「まぁ…正直…苦手っすかね。KYぽいし」

「俺も…あんま話したことないけど…行動とかしゃべり方とか…生理的に…」

「男が生理って(笑)」

想像していた通りの評価に西田は吹き出した。

「でも、ヒノケン先輩とか仲いいっすよね」

「もしかして…つきあってんすか?」

(そんな訳ないじゃん!)

「ばっか!んなわけねーだろっ!」

ちぃの代わりに、西田が否定した。

「いや~なんか、仲いいし…」

「ヒノケンはお人好しだからさ、同情してんだよ。俺あいつ小学校から知ってるけど、昔からあんな感じの奴だったし」

「2人ともそんなつきあい長いんすか?!」

(……そうだったんだ)

ちぃも初耳だった。

「いや、でも中学が別れて…高校で再会した…みたいな」

「そうだったんすか」