「はい?」

りょうが首を傾げるのも無理はない。

「風間くん、聖也くん…どう思う?」

どうしても聞いてみたくなった伊澄はもう一押しいった。

「浮気男、最低男」

「…………じゃあ、水澤くんは?」

「ん~?りょうね、あいついつも5人でつるんでんじゃん?」

5人とは、あの2年5組のメンバーの事だろう。

「うん」

「あの中で一番無理!!」

そう言って胸の前で大きくバツを作った。

「…なんで?」

「あいつら女から見たらダメ男の集まりじゃんね」

りょうは足を組み替えた。

「ダメ男?」


「だってそうでしょ?聖也は浮気症、ヒノケンはケチで土谷はバッキー…」

「バッキー?」

聞きなれない言葉に、伊澄は聞き返した。

「束縛したがり…ソクバッキー。日和は小心で直人はオレオレ」

「オレオレ?詐欺?」

「ちゃう、ちゃう。すっごい自己中だよ、あいつ」

すごく嫌そうな顔をして続けた。

「自己中なの?見えないけど…」

「普段はね。人当たりいいけど…彼女相手にはひどいよ」

「そうなの?」

と言いつつ、思い当たる所はあった。

「うん、彼女より友達優先だしね。それが嫌だったら別れる…みたいな」

「シビアね…」