聖也が学校にこなくなり、３日がたった。

(大丈夫かな…)

｢どうした、ヒノケン？｣

アニメ声でそう言って顔をのぞきこんできたのは、同じ部活の鳴海千紗だ。

｢ちい…｣

｢何かあったら相談のるぞ！｣

千紗は自分の胸をどん、と叩いた。

(聖也…ちいの事敬遠してたな…)

女好きの聖也でも、千紗のアニメ声が耳につく、と前に顔をしかめていた。

(まぁ、確かに行動とか漫画っぽいとこあるけど…)

なかなか話さないヒノケンにじれたのか、千紗は話題をかえた。

｢そういえば、この間、風間くんみたよ？｣

｢えっ…え？！｣

思わず身を乗り出した。

｢何だそのリアクション(笑)｣


｢どこ…！？｣

ちぃは笑っていたが、ヒノケンは必死で聞いた。

｢何か、駅前で怖そうな人達とたむろっていたぞ★｣

｢怖そうって…｣

(聖也、友達多いし…)

別にそんな聖也に怖そうな連れがいたところで不思議はないけれど…。

｢なんか……湘南列伝…てマンガにでてくる、黒牙の一味みたいな｣

｢何だ、それ(笑)｣

よくちぃはマンガに例えてくることがあるが、マンガを全然読まないヒノケンには、話が通じなかった。

｢あ、集合だって！行くべ｣

｢おう｣