「なにが?」

直人の呟きに、その会話を知らない3人はきょとんとした。

「あ~、何か別のこと…」

「なんだよ、何か気になんじゃん!タバコがどーかしたの??」

土屋は少し興奮して、直人に問いただした。

「バカ、声がでかい!」

直人は声のトーンを落として土屋をいましめた。

保健室の隣は生徒指導室だ。もちろん、喫煙がバレた時点で停学。

「あっ…と」

土屋もようやく気づいたようで口を抑えた。

「おせーよ…」

そうこうしているうちにチャイムが鳴って、直人はイスから立ち上がった。

「じゃ、次実習だからそろそろ行くわ」

「またね、伊澄ちゃん♪」

「あ…うん」

ヒノケンは小さく伊澄に手をふり、3人は保健室から出ていった。

「ったく…伊澄ちゃんもいんのに…」

「ごめんって…」

呆れている直人に、土屋は謝った。

「てゆーか…」

「どうした?ヒノケン」

「聖也…まじで大丈夫かな?」