「岬ちゃん、聖也のこと何か言ってた?」

土屋に聞かれたが直人は首を横にふった。

「いや、何も…。あいつの事は話題にものぼらなかったし」

「冷めてんな~」

「そんなもんじゃね?いま、違う男の子供妊娠してんだし」

直人の冷めた言い様に、伊澄は思わず口をあけてしまった。

「風間くんの方はまだ、好きなんじゃないの…?」

直人は首を傾けた。

「それはないんじゃない?別れて大分たってるし、彼女もできてんだし」

「でも俺、他人にあんな入れ込んでる聖也初めてみたよ。浮気もだけど、タバコだってやめてたし…岬ちゃんが嫌がるからって」

土屋のタバコとゆう言葉に、直人は反応した。

「タバコ?」

「?…うん、タバコ」
直人は先日の岬との会話を思い出した。

『てか、タバコ止めるって言ってたじゃん!』

『…?俺、んな事言ってないけど…』

『……!ごめん、人違い♪』

「あれ…聖也の事か…」