風間さんはこのカフェのホール係で、忙しいときはたまに厨房の方も手伝ってる。

このバイトは始めて半年らしく、私の頼れる先輩の一人だ。

風間さんより一足先にホールに入ると、すごくキレイな女性3人が入り口にいた。

「いらっしゃいませ」

「…あのー」

女性は店内をキョロキョロ見渡した。

「はい?」

「聖也さん、います?」

(風間さんのことだ)

「今、厨房にいるのですぐにでてくると思うんですけど…」

しどろもどろに説明しながら厨房の方を見ると、ちょうど風間さんが出てきた。

「あ…聖也くん!」

女性達はパッと笑顔になり、風間さんに手をふった。

「おっ、久しぶりですね。後ろの方は友達ですか?」

風間さんも笑顔で返した。後ろの二人には面識がないらしい。

「友達も一緒にっていうから、連れてきちゃった」

「ありがとうございます。席、案内しますね」

(すごいな、風間さん…)