「ああ、ごめん。わかりにくかったね…じゃ、入ろ」

「ここでいい?」

「うん!せっかく考えてくれたんだし」

嬉しそうに微笑むミサキに、直人も幸せな気持ちになった。

「不味くても知らねーからな」

「はは」

二人は笑いあいながら店のドアを開けた。

「いらっしゃいませ、2名様ですか?」

「はい」

外からだと小さく見えた店も入ってみると意外に広かった。
「お煙草の方は…」

「禁煙で!」

直人が喫煙と言おうとしたのを遮るようにミサキは席を指定した。

「……?」

「では、いまテーブルの方片付けますので、そちらに掛けて少々お待ちください」

「はーい」

何となく気まずい雰囲気で椅子にかけると、また店のドアが開いた。

入ってきたのはキレイな女性二人だ。

(なんか、大人の女って感じだなー…)

「…いらっしゃいませ、何名様ですか?」

「二人です」

「喫煙席ならすぐご案内できるんですけど…」

店員は空席の状況を確認しながら案内した。

「じゃ、喫煙で」

「どーせ吸うしね」

(…てゆうか)

「伊澄ちゃん?!」

直人は思わず声を上げた。