(次の駅で降りようか…でも、そしたら遅刻になっちゃう)


今の電車でもかなりギリギリの時刻なのに。

いろいろ伊澄が画策していると、ふとその手は伊澄から離れた。

(………?)

少しホッとした次の瞬間、手は伊澄のスカートの中に侵入してきた。

「やっ」

思わず小さく声がでてしまった。

(…やばい)

直人に気づかれたかもしれない。

そうしている間にも、手はどんどん中に入ってくる。

(…どうしよう)

なんだか、泣きそうになってきた。


ふいに、誰かに手首をつかまれた。

「………?」