電車が次の駅で止まり、少し揺れたせいか直人は少し目を開けた。

(あ、起きた…)

顔をあげ、伊澄に気づき、少し驚いたように目を見開いた。

(…話しかけられるかな)

伊澄が気まずそうに顔を伏せると、直人は少し微笑んでまた目を閉じた。


(………)

意外に冷めた反応で、伊澄は少し拍子抜けした。


(…なんか、水澤くんてスキがない感じだな…)

(あの5人でいるときはそれなりにはしゃいでるんだけど)

寝起きのボーっとした頭でそんなことを考えていたら、お尻になにかが当たる感触がした。

「……?!」