「来なかったら、どうとかそうゆうのはないから」

一同はざわついた。

「以上、みんなのヒノケンでした」

一同の冷静な視線がイタくて、最期はフザけてお辞儀をしたらやっと少し笑いがとれた。

「……そうゆうことだ。俺は行けないが、行ける奴は行ってやれ」

顧問にこづかれ、ヒノケンは元の自分がいた位置に戻った。

正直、告知はしたものの来ないだろうと思った。

本音をいえば全員に来てもらってちぃを送りだしたかったが、無理強いする訳にもいかなかった。

「すいません、トイレ行ってきます」

「すぐ戻ってこいよ」

「はい」

そう言って更衣室を出た西田を、ヒノケンが呼び止めた。

「西田!」

「あ?お前か…」

「ちょっとお願いあんだけど」

ヒノケンは顔の前で両手を合わせて、お願いポーズをした。

「見送りなら行かねーぞ」

「バカ、違う。来週の土曜日の合コン来れない?」

「合コン?」

てっきりちぃの見送りを強要されるかと思い即答したのに、検討違いの要求をされて、少し羞恥を覚えた。