「おかげでこれからケータイチェックされる羽目になったじゃねーか!!今までは俺がしてたのに」

「え、お前が?ケータイチェック?されてんの?超ウケる~(笑)」

ヒノケンは大笑いした。

「笑い事じゃねーっ!!」

「だって、あんだけ束縛してたお前が、今度は束縛されてんでしょ?!」

一方のキノは相変わらず真理との電話対応に追われていた。

「いえ、ニューハーフじゃないですよ。確かにナヨいとか言われますけど」

「ひよりー、いる?」

「そんな事ありませんて、真理さんだけですって」

背後から教室に入ってきたりょうに気づかず、キノは続けた。

「他に彼女とかいませんて!本命は真理さんだけです」

不意に、後ろから首根っこを捕まえられた。

「マリッテダレ……?」

「り……りょ、う」

りょうはキノからケータイを取り上げ、叫んだ。

「私が本命の彼女なんだから!!あんたになんか絶対、渡さない!!」

「!!!!」

りょうはそのまま通話を切ってしまった。

「りょう……何てことを」

青ざめるキノに、大笑いのヒノケン……土屋は口から泡をふいていた。