「瑠璃……それは出来ないの」

真理も瑠璃に言い聞かせるようにしたが、瑠璃は首を横にふるだけだ。

「お姉ちゃんだってこーかいしてるっていってたじゃん!!」

「そうなの?」

土屋はすぐに反応した。

「それは……」

真理も返答に困っている。

「俺は後悔してる」

「タカちゃん?」

「お前が知らねー親父と歩いてるって聞いたとき……ちゃんと捕まえとけばよかったと思った」

それが本音だった。

「もう、遅いけど。もう間に合わない時にするから後悔なんだよな」

「…………」

「お父さん……真理さんの。本当にごめんなさい。こいつら、マヌケだけど……よろしくお願いします」

今度はちゃんと丁寧にお辞儀をした。

「いや、そんなご丁寧に」

「タカちゃん!」

真理は後ろから土屋に抱きついた。


「………真理」



「後悔なんて、するなら……今度はちゃんと離さないでよ」

(……………!)

自分の肩に回された真理の手を握った。



「…………真理、いいのか」



「うん。私も、離さないから」