伊澄から薬を受け取った西田は土屋を見た。

「そういえば土屋、彼女と別れたって?」

「あー…うん」

(西田くんて土谷くんとも友達なんだ)

「板垣が言ってたんだよ。合コンするらしいじゃん(笑)」

「あー、ま・ね。お前もくる?」

土屋は少しバツ悪そうに答えた。

「誰が(笑)てか、こないだお前の彼女見たよ」

「お前、俺の彼女知ってたっけ?」

ヒノケンや板垣を通じて友達になったけど、実際同じクラスになった事はなかった。

「いや、板垣と一緒にいたんだって。あいつお前の彼女知ってるじゃん」

確かに、板垣は1年の時にクラスが同じで、彼女にも会わせたことがあった。

「正確には元カノだけどな。どこで見た?」

元カノと訂正しながらも、気にはなるようだ。

「駅前。なんか、親父と腕組んで歩いてたけど。あのこ、大丈夫?」

「え?」

「パパなんじゃないの?」

ヒノケンの考えに、土屋は首を横に振った。

「あいつは、父親いないよ。小さい頃に死んだって」