「??」

訳がわからず、メールを開いた。

『彼とやり直すことにしました。許可が下りたら、ニューヨークへ戻ります。ごめんなさい』

「えっ……」

昨日、岬が送ったのだろう。

しかし、ケータイが止まって圏外状態だったので、届かなかった。

それが、今……

「直人、お前の差し金?」

思わずへへっと乾いた笑いが出てしまった。

「それ言われるの本日2回目だけど……どっちも俺じゃない」

「じゃー…何、これ」

「俺も昨日、初めて聞いた。電話した時に……なんかもう、説教する気も失せたよ」

聖也はその場にしゃがみ込んだ。

「あー…マジか……」

「マジ」

「なんかもー…何だろ、この感じ……。手先が冷たいんだけど……(笑)」

メールを読んだ瞬間から、全身から血の気が引く気がした。

なんだか、気持ちが悪い。

「ごめん」

「なんで直くんが謝るのー…」

聖也は直人の顔が見れなかった。

「紹介したのおれだし」

「そんなの……ただのキッカケじゃん。まぁいいや、これで直人も俺のキス、責められねーだろ。ザマーミロ」

たしかに、岬があんな事言い出さなければ、説教していたものの…こんな状況になってしまったら、聖也に同情せずにいられない。